睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群(Sleep apnea syndrome: SAS)は、睡眠中に病的に呼吸が停止してしまう病気です。停止すると言ってもずーっと止まっているわけではありません。(当たり前ですが) 睡眠中、呼吸停止がある程度の時間続くと酸素不足であまりの苦しさに一瞬目が覚めて呼吸が戻ります(息を吹き返す)。酸素が戻るとまた眠りに落ち、呼吸が止まって・・の繰り返しです。
一瞬目が覚めると言っても、本人はそのことを覚えていません。本人はいくら寝ても朝の寝覚めがすっきりしない、日中の眠気、睡眠発作などに悩んでいますが、睡眠中の呼吸がどうなっているかについては知らないままなのです。そこで、睡眠時無呼吸があるかどうかについて知るためには特別な検査をしなければなりません。


閉塞型と中枢型

睡眠時無呼吸は大きく分けて閉塞型群(Obstructive)睡眠時無呼吸症候(OSAS)と中枢型(Central)睡眠時無呼吸症候群(CSAS)に分けられます。肥満があったりいびきがあったりする一般的なタイプはほとんどが閉塞型です。

検査結果の解析






そこで、今度は左の図を見て下さい。これは、上記の無呼吸状態の時の動脈血酸素飽和度(SpO2)の動き(上段)と、そのときの心拍数(下段)を示しています。横軸は上の図と合わせてあります。上の図と比較してみると、赤く塗られた無呼吸の始まりからおよそ10秒ほどしてから急速に酸素飽和度が低下しているのが分かります。青い領域の一番下は80%ですので、82%位まで下がっています。健常人の酸素飽和度は98−99%ですから、かなりの低値です。

82%がどのくらい低いかというと、試しにパルスオキシメーターで動脈血酸素飽和度を測定しながら呼吸を止めてどのくらいまで我慢できるかやって見れば分かりますが、ほとんどの人は95%を下回ることが出来ないでしょう。もし90%を下回るまで我慢しろと言われたら、死ぬほどの苦しみを味わうに違いありません。
また、たとえば動脈血酸素飽和度の88%は、動脈血酸素分圧の60Torrとほぼ等しく、在宅酸素療法の適応となります。これは、臓器障害が起こり、寿命が縮む可能性があるからです。
下段の心拍数も変動しており、自律神経にストレスがかかっていることが分かります。

睡眠時無呼吸で問題なのは日中の眠気や交通事故だけではありません。本来安静であるべき睡眠時に自律神経がストレス状態におかれることで、高カテコラミン血症、睡眠時高血圧、血糖の上昇を起こし、ひいては動脈硬化、糖尿病、心筋梗塞、脳梗塞などの障害につながっていく可能性もあるのです。